ナルコレプシーの代表的な症状は、「日常的に続く日中の強い眠気と居眠り」と「睡眠発作」、「情動脱力発作」と呼ばれているものです。
日中の強い眠気と居眠り
「眠気と居眠り」というと、なんだと思うかもしれませんが、ナルコレプシーにかかっている人の「眠気と居眠り」は、普通の人のそれとはまったく違い、我慢できない眠気です。
前の晩に十分、睡眠をとっていたとしても、日中には耐え難い眠気が襲ってきます。それも1度だけではなく、1日に何回も眠気が襲ってきます。
特に、発言しない会議など、普通の人でも眠くなるような状態だと、それがさらにひどくなります。最初の方は気合いで耐えていたとしても、そのうち耐え切れなくなり、居眠りしてしまうようなことになります。
睡眠発作
ナルコレプシーの症状には瞬間的に眠りに落ちてしまう「睡眠発作」があります。この睡眠発作がおこると、「眠い」と思う暇もなく、一瞬で眠ってしまいます。
発作は1日に何度も起こることもあれば、ほんの数回しか起こらないこともあります。
1回の発作で眠っている時間は、普通30分以下です。この発作は退屈な会議やハイウエーでの長時間のドライブ中などの単調な状況におかれたときに最も起こりやすくなります。
しかし意図的に短い仮眠を取ったときにはすっきりと目覚めます。そして、居眠りから目が覚めたあとは、かなり頭がすっきりとし、眠気もほとんど感じなくなるようです。
ただし、数時間もたつと、また耐え難い眠気が襲ってきます。そして耐え切れずに居眠りしてしまうようになります。
情動脱力発作
「情動脱力発作」というのは、興奮したとき、特に大笑いしたときなどに、いきなり体の筋肉の緊張が抜けてしまうことをいいます。
この意識喪失を伴わない突然の筋力低下は怒りや恐怖、喜びや笑い、驚きなどの突発的な感情が引き金になるとみられます。急にぐにゃりと腰が抜けたり、持っているものを落としたり、地面に倒れたりします。
この症状はレム睡眠中にみられる筋肉の弛緩と似ており、程度こそ軽いものの、ちょうど「笑うと力が抜ける」ときの状態に似ています。
ときおり、ちょうど寝入ったばかりや目が覚めた直後に体を動かそうとして動かせないことがあります。
睡眠麻痺と呼ばれるこのような金縛り状態になると非常な恐怖に駆られますが、この状態は他の人に体に触れてもらうと治ります。周りに人がいなくても、麻痺は数分後には自然に治まります。
ちなみに、ナルコレプシーの人が居眠りしている時には、軽く声をかけるだけですぐに目を覚まし、そのまま仕事を続けたりします。この居眠りしていてもすぐに起き、寝ぼけることがない、というのもナルコレプシーの特徴です。
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