ファゴットとバスーンは同じ楽器を指していて、国によって呼び方が変わるだけと思われていますが、フランスのバッソン(バスーンのフランス名)は、厳密に言うとファゴットとは少し異なる楽器です。それは、単にキーシステムの違いというよりも奏法における違いがあり、プロの奏者にとっても、実際上は全く別個の楽器と意識されているようです。 バッソンは機構が単純なため音程が取りにくいなどの難点もありますが、音色がホルンに近く表現がより豊かであるとされています。バッソンは音量があまり大きくないことから、ベルリオーズのように1パートに2本重ねて4管として使われることが多いようです。 余談ですがイタリア語では「ファゴット」ですが、英語圏では「バスーン」と呼ばなくてはなりません。その理由は英語圏で「ファゴット」と言ってしまうと、同性愛者への侮蔑的呼称「オカマ」を意味する「faggot」と捉えられかねないので、注意する必要があるようです。