ファルセットとは発声法の一種で、一般的には「裏声」(地声から裏返った声のことです。)と呼ばれています。
ファルセットという言葉の元々の意味は「不適切な声」「偽りの声」といったものです。十分な音量が出ない、音色的に欠陥がある、言葉がのらないといった理由で歌唱には不適当な声ということです。
ファルセットは古くから用いられており。クラシックの曲ではドビュッシーの混声合唱曲「シャルル・ドルレアンによる3つの歌」、ラヴェルの混声合唱曲「3つの歌」ではテノールの一部箇所にファルセットの指示があります。
ファルセットは男性が女性の歌声を真似するときには常に使われます。ゴスペラーズなどの合唱で、最高音域を持っている人も、ほとんどがファルセットです。
男声歌手はファルセットを用いると明らかに分かりますが、多くの女性歌手においては自然にファルセットを歌うことができます。ホイットニー・ヒューストンやミニー・リパートン、セリーヌ・ディオン、マライア・キャリーはより高い音域に達するために、たいてい自然な発声からファルセットに切り替えて歌っています。
ファルセットは口笛と同じように簡単に出来る人とそうでない人に分かれるようです。ファルセットを身につけることで歌声に表現の幅が広がりますが、それを会得するためには腹式呼吸法の十分な訓練が必要になります。
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